硝子体

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前回更新した時は、左目で見えるものの歪みがひどくて本を読むのがキツイなと感じ始めた頃だった。かかりつけの眼医者から、そろそろ手術も選択肢に入れますか、ということで、手術のできる眼医者を紹介してもらったのが10月中旬。大きな眼科でも診断結果は同様だった。黄斑前膜だが、矯正すれば視力が1.0出るので、手術を急ぐこともないが、気になるなら手術をするしかない、というもの。

次回は3ヶ月後に診察で、その時までに手術をするかどうか決めてください、とのことだった。

矯正すれば視力が1.0出る、といっても、見えるものは歪んでいる。検査に使うランドルト環も、かなり歪む。でも、切れ目がどちらにあるかはわかるのだった。わかる以上、その眼科に来る患者の中では、私はかなり深刻度が低いに違いない。

3ヶ月後に、手術してもらおうかな。

私は結論を早々に出しているにも関わらず、その時点で手術をお願いする気にならなかった。目の中の硝子体を除去して黄斑に貼り付いている膜を取る。ただ、硝子体手術をすると1年以内に白内障になるから、白内障の手術も同時に行うらしい。

私は少しそこが引っかかっていた。健康な部分も交換しないといけないような手術を、果たして今の症状で受けるべきなのか。

そうこうしているうちに11月になった。急に、見え方が悪化しているような気がした。それまで両目で見ると正常な右目で脳が補正してくれてたような場面でも、歪みが気になるようになった。パソコンのモニターなんかは、気持ち悪くてとても両目で見ていられない。左目だけで見ると、視野の真ん中が歪むだけでなく、吸い込まれるように消失する箇所がある。
次の予約が1月ということもあって、いつも混んでいる大きな眼医者には行きづらかった。空き時間ができたので以前のかかりつけ医に相談にして検査してもらうと、黄斑円孔になっているとのことだった。貼り付いていた膜の力で黄斑に穴があいてしまったらしい。

結局その後再度大きな眼科へ行き、同様の診断を受けた。視力を測ると、矯正視力で0.7。見ようとすると小さいものは消えてしまうのだから仕方ない。
結局、手術を受けることになった。1週間程度の入院を伴うらしい。11月中は予約がいっぱいで、結局12月の上旬に手術となった。

穴が開く前の前膜の段階だったら、そんなに入院する必要はなかったのだが、硝子体手術で膜を取った後、穴を塞ぐ為に目の中にガスを入れて3日間うつ伏せで過ごすらしい。歩き方、寝方など写真入りで解説してある紙ももらった。治したいという気持ちの強さを試されるような気がする。

硝子体を取る。

今度は見せてもらえるんだろうか。

私は以前髄膜腫の手術を受けた時、摘出した腫瘍を、手術後の説明を受けた家族は見せてもらったのに、私は見れなかったのを根に持っている。後で医者が写真か何かで見せてくれるんだと期待していたのに、生検の結果しか教えてもらえなくてがっかりした。

抜いた歯を歯医者が見せてくれるように、今度こそ摘出した硝子体を見せてもらいたい。生まれた時から私の目の中にあったもの。しかも、子供の頃からの強い飛蚊症で、その存在や動きを意識し続けてきたもの。どれくらいの粘度で、どれだけ濁っているんだろう。

もし見せてもらった時のために、一般的な硝子体の画像を見ておこう、と画像検索してみたものの、取り出された状態の硝子体画像は見つけられなかった。でも検索しているうちyoutube で黄斑円孔の硝子体手術映像を見つけた。細い器具を目に差し込んで、貼り付いた薄皮を剥いでいる。恐ろしいほどの緻密な技術。

この動画は医者視点だけど、これ、私は逆側で見るんだよなあ。私の左目は、目の中の器具と、剥がされる膜をどんなふうに見るんだろうな。