もどかしさもSOMETIME/斉藤康彦

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 金八、新八、仙八、貫八、どれを取るといわれたら、迷わず新八先生である。というのも、記憶に殆ど残ってないが、このシリーズでは一番積極的に見ているはずである。 なぜなら、私は岸田智史を心配していたからだ。岸田智史は嫌いじゃなかったのである。 当時、国語の教科書にあった脚本をひとりで演じて、何重録音もしてラジオドラマごっこをしていた。主題歌はいつも岸田智史を起用。主題歌向き。 新八先生がヒットするような予感は全くしなかった。中学一年生はさっきまで小学生だった子供たち。今はともかく当時の感覚からすると、中学一年生の生徒からアイドル出現というのは期待薄である。実際生徒役の顔ぶれを見ても、みんな生粋の子供たちであった。しかも薄味の岸田智史。透明感と清潔感は、この場合存在感を消してしまって逆効果なのではと心配であった。 その私の不安は的中していたが、それはさておき、その新八先生出身でもっともアイドルに近づいた人が斉藤康彦だった。顔立ちが若干長谷川諭系列かも、と思ったけれど、ファンになるまでは至らなかった。 その彼のデビュー曲「もどかしさもSOMETIME」は割と好きだったせいか、数年前まで、ふと時々思い出しては「おお、殆ど覚えている」と自分で感心していた。だが、やはり年のせいか、ある頃からある部分以降のメロディーが出てこなくなった。詳しく言うと、「生きるしか、ないんだと」の先が出てこないのである。無理やり思い出そうとすると、何故か徳丸純子の「聖・ファーストラブ」になってしまい、「髪を切った少女がー」と繋がってしまう。

 好きな曲だから聴きたい、というよりも、メロディが思い出せなくなった気持ち悪さから、「おしえてアイドルRespectビクター編」でこの歌が聞けるのを楽しみにしていた。

 結果、解決。そして思い出したのだが、私はどうしてこの歌をよく聞いたのか。それは、その忘れてしまっていたところのメロディを気に入っていたからであった。詳しく言うと、「雲が南へ流れた」の部分。 そういえば、この曲と同じように、私は水谷豊の「やりなおそうよ」で好きな個所があった。詳しく言うと、「横におまえは渡る」の部分。今から思えば、部分だけ抽出すると同傾向のメロディである。 「もどかしさもSOMETIME」や「やりなおそうよ」がカラオケに入っていたら、おそらく私はその個所だけ歌いたくて、全部歌うんだろうと思う。機会があったらリクエスト、するだけしてみよう。このご時世、実現するかもしれない。

【昭和スター倶楽部】プロマイドギャラリー 斉藤康彦
(2013.1.8 追記)